初めて不動産投資をする方から「実物の不動産投資とREITは何が違うのか？」との質問をよく受けます。
確かに、不動産投資もREITも「不動産投資で利益を得る」という点においては同じなので、何が違うのかは気になるところでしょう。
簡単に言うと、実物不動産投資は「不動産を所有」して収益を得るのに対し、REITは「証券を購入」して収益を得るという投資方法になります。
今回は不動産投資を検討中の方に向けて、実物不動産投資とREITの違い、それぞれのメリット・デメリットを解説いたします。
ぜひご参考までにご覧ください。
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実物不動産投資とREITの仕組みの違いとは？
実物不動産投資は、自分で選んだ不動産を購入して管理や経営をおこない、運用益を得る投資手法になります。
対して、REITとは不動産投資信託のことを言い、証券市場で売買をおこなって配当金や売却利益を得る投資手法です。
ここでは、それぞれの仕組みと違いをみていきましょう。
不動産の取得方法の違い
実物不動産投資は、不動産を購入して所有権を取得します。
そのため、不動産会社を介して売主と売買契約を結び、所有権移転手続きなどの法的な手続きが必要となります。
一方でREITの場合は、不動産を直接的に購入するわけではなく、証券会社や銀行に口座を開設して、証券市場での取引となります。
投資対象となる物件の違い
実物不動産投資では、主にマンションや戸建てなどの居住用物件に投資をすることが多いです。
その点、REITは投資運用会社がホテルや物流倉庫など、数10件～数100件の多様な不動産に投資をして運用をしています。
REITは、複数の投資家の資金で運用しているため、個人投資家が手を出せないような多様な高額物件に投資ができる反面、直接的に投資先を自分で選ぶということはできません。
その点、実物不動産投資は、自らの判断で自由に投資先の物件を選ぶことができます。
流動性の違い
実物不動産投資は売却したいとなったときは、買い手を探す必要があり、物件によっては売却までに時間がかかる場合があります。
一方でREITは、証券市場ですぐに売買が可能です。
以上のことから、REITのほうが少額で投資できる分、流動性は高いと言えるでしょう。
利回りの違い
実物不動産投資は、物件によって利回りが異なります。
たとえば、都心部のワンルームマンションの平均利回りは3％後半～10％と、築年数や立地によって幅があります。
それに対し、REITの予想年間分配金利回りは3.53％となります。（2021年12月末時点の東証REIT指数参照）
取得の種類が違う
実物不動産投資で得られる所得は、不動産所得に該当します。
一方でREITの場合は、配当金は「配当所得」売却時の所得は「譲渡所得」に該当します。
所得の種類が違うことで、損失が出た場合の損益通算の仕方や、確定申告に違いが出てきます。
REITと比べた実物不動産投資のメリット・デメリットとは？
実物不動産投資とREITの違いがわかったところで、続いて気になるのは、それぞれのメリット・デメリットでしょう。
ここでは、REITと比べた実物不動産投資のメリット・デメリットをご紹介します。
実物不動産投資のメリット①ローンが利用できる
実物不動産投資は、不動産投資ローンを利用して投資対象の物件を購入することができます。
不動産投資で得られた収益でローンを返済できるので、レバレッジを効かせて効率的な資産運用ができますよ。
実物不動産投資のメリット②自分でコントロールができる
実物の不動産投資では、自分で不動産を運用するため、自由に収益をコントロールすることができます。
たとえば、購入したアパートなどの賃貸物件の空き室が増えてしまった場合、設備投資をして付加価値を上げるか、周辺相場にあわせて家賃を下げるのかを自分自身で判断し、運用をしていくことができます。
また、好立地の物件を選んだり、将来の予測を立てたりしながら、自由に経営判断ができますよ。
REITと比べると投資元本の変動幅も小さいため、中長期的な資産運用ができるでしょう。
実物不動産投資のデメリット①手間がかかる
前章でも述べたとおり、不動産を取得するには、さまざまな法的手続きが必要となり、手間やコストがかかります。
たとえば、売主との売買契約や所有権移転手続きなど、購入を決めた後も数週間から数か月の期間を要するでしょう。
また、賃貸物件の場合は、入居者を募ったり、退居時の対応をしたりなど管理や運用面での手間もかかります。
自分で戦略を立てて運用できると言うメリットがある反面、手間がかかる点はデメリットと言えるでしょう。
実物不動産投資のデメリット②税金面の負担がある
実物の不動産投資の場合、税金面の負担がデメリットとなります。
不動産の取得時には、所有権の移転に伴って登録免許税や、不動産取得税がかかります。
そして、不動産を所有することで毎年の固定資産税の負担もあります。
不動産の所有コストとして、さまざまな税金が発生する点はデメリットでしょう。
実物不動産投資と比べたREITのメリット・デメリットとは？
続いては、実物不動産投資と比べたREITのメリット・デメリットをご紹介します。
REITのメリット①数万円から投資が可能
前述のとおり、REITは数万円という少額から投資が可能です。
そのため、投資初心者の方でも手軽に投資ができる点がメリットと言えるでしょう。
また、少ない資金で投資できることから分散投資をすることができますよ。
実物不動産投資と合わせて、REITに投資をするのも、分散投資になるでしょう。
REITのメリット②手間がかからない
REITは、株式と同じように、証券を保有するだけで何もせずとも配当金を得ることができます。
そのため、実物不動産投資と違って運用や不動産管理の手間がなく、配当金や売却の利益が得られます。
REITを取得する際も、インターネット上で証券会社を介して手軽に売買ができる点も大きなメリットです。
REITのデメリット①価格変動リスクがある
REITは証券取引所に上場している証券のため、株式と同じようにリアルタイムで価格が変動しています。
そのため、経済動向や株式市況によっては、価格が暴落する可能性もあるのです。
証券市場の相場は毎日変動するため、実物不動産投資と比べると投資元本が割れるリスクが高いと言えるでしょう。
REITのデメリット②不動産投資ローンが組めない
REITは基本的に、現金での購入となります。
そのため、実物不動産投資のように、ローンを組んでレバレッジを効かせる取引ができないです。
流動性が高く少額から投資ができる反面、短期間で値下がりする可能性もあるため、実物不動産投資と比べると中長期的な投資運用には向いていない点がデメリットでしょう。
まとめ
今回は不動産投資を検討中の方に向けて、実物の不動産投資とREITの違い、それぞれのメリット・デメリットを解説いたしました。
実物不動産投資は「不動産を所有して自ら管理・運用をおこなう」投資方法であるのに対し、REITは「証券市場で不動産投資信託を購入して、間接的に運用利益を得る」投資になります。
実物不動産投資は、自分で収益のコントロールをおこないながら自由に運用ができる反面、手間や税金コストがかかります。
一方で、REITは数万円から手軽に売買できる反面、毎日価格が変動するため、元本割れのリスクがあります。
このように、同じ不動産投資でも、実物不動産投資とREITには大きな違いがあります。
この記事をぜひ参考に、実物不動産投資とREITを上手く組み合わせて資産運用に役立てていただければ幸いです。
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