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不動産売却に役立つ不動産鑑定とは?査定との違いや流れを解説!

カテゴリ:不動産の基礎知識

不動産売却に役立つ不動産鑑定とは?査定との違いや流れを解説!

「不動産の売却を検討しているが適正価格がわからない」という方は多いのではないでしょうか。
たしかに不動産はそれぞれが唯一無二のものであるため、価値の妥当性を判断することは非常に困難です。
そこで、不動産の適正価値を算出するために用いられる手法の一つが不動産鑑定です。
今回は不動産鑑定とは何なのか、実際に不動産鑑定をおこなう際の流れと併せて解説していきます。


不動産売却に役立つ不動産鑑定とは

不動産売却に役立つ不動産鑑定とは

不動産鑑定とは、専門家が土地や建物の適正価値を国の統一基準に基づいて判断することをさします。
こちらについては、『不動産の鑑定評価に関する法律』にも次のように記載されています。
「不動産の鑑定(評価)とは、不動産(土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利をいう)の経済価値を判定し、その結果を価額に表示することをいう。」
以下、より具体的に解説していきます。

不動産鑑定に必要な資格

不動産鑑定は誰もが実施できるものではありません。
「不動産鑑定士」あるいは「不動産鑑定士補」の資格を有する者のみ実施を許されています。
ちなみに、「不動産鑑定士」は弁護士・公認会計士と並ぶ三大国家資格の一つで、合格率5%程度というかなりの難関資格です。
不動産鑑定は高度な知識や経験が求められます。

不動産鑑定依頼に要する費用

不動産鑑定を依頼する際は、鑑定費用がかかります。
金額はおおよそ20~30万円が相場となり、基本的には不動産価格が高くなればなるほど鑑定費用も上がっていきます。
ただし、依頼する不動産鑑定事務所や不動産鑑定士、対象物件の規模によって異なりますので、必ず事前に確認するようにしましょう。

不動産鑑定評価方法

不動産鑑定評価には次の3つの方法があります。

取引事例比較法
取引事例比較法は、調査対象の不動産と近い条件を持つ、過去におこなわれた物件の取引を参考にして、不動産を鑑定する方法です。
類似物件の取引価格から対象物件の概算価格を算出し、そこからエリアや築年数などを考慮して価格の微調整をおこないます。
対象物件の周辺の取引事例が多ければ多いほど、より精度の高い鑑定結果を導き出すことができます。
取引事例数が極端に少なかったり、あまりにも古すぎる事例しかない場合は正確性を欠くため注意が必要です。

収益還元法
収益還元法とは、対象不動産が将来生み出すであろう収益から不動産価格を算出する方法です。
これは賃貸マンションなどの投資用不動産の鑑定をおこなう際によく用いられます。
たとえば、年間で500万円の賃料収益を生み出す不動産があるとします。
目標の還元利回りを5%と設定した場合、物件価格は「500万円÷5%=1億円」と算出することができます。

原価法
最後は原価法です。
原価法とは、対象不動産の再調達価格に対して築年数や老朽化を考慮した減価修正をおこなって算出する方法です。
つまり、対象不動産と全く同じものを同じ場所に新しく建てた場合にかかる費用から、建築後の年数経過に伴う価値低下分を差し引くのです。
また、減価修正は以下の3点に着目しておこなわれます。

①物理的要因
不動産を利用することによって生じる損傷や、経年や自然的な作用によって生じる老朽化などを指します。

②機能的要因
設計不良や使用設備の旧式化、能率の低下があげられます。

③経済的要因
近隣地域の衰退や、周辺不動産との比較における市場性の減退等があげられます。

不動産鑑定と不動産査定の違いとは

不動産鑑定と不動産査定の違いとは

不動産価格を算出する方法として不動産鑑定について解説してきましたが、もう一つの方法として不動産査定もあることをご存じでしょうか。
不動産鑑定と不動産査定は価格を算出する点では一緒ですが、実は意味合いが全く異なります。

実施者の違い

すでに述べたとおり、不動産鑑定は「不動産鑑定士」という国家資格を有する者しか実施することができません。
しかし不動産査定は、不動産会社の社員など誰でも実施することができます。

算出価格と基準における違い

不動産鑑定は、国の統一基準に基づいて客観的に評価をおこないます。
そのため、担当する不動産鑑定士によって大きな差が出ることはほとんどありません。
しかし不動産査定は、それぞれの不動産会社が独自の基準を設けて調査を実施します。
よって、依頼する不動産会社によって算出される価格が異なることが多くなります。

目的の違い

不動産鑑定は、単に売却時の価格を算出するためだけではありません。
不動産鑑定評価書を裁判所や税務署といった公的機関へ提出する際にも、この不動産鑑定がおこなわれます。
不動産鑑定によって算出される評価額は、固定資産税を定めるうえでも重要です。
内容によっては法的な責任も問われるため、より専門性や正確性が必要となります。
一方で、不動産査定は単に想定売却価格を算出することのみを目的としています。
仮に算出した不動産価格で売却できなかったとしても、罰を受けることはありません。

不動産鑑定のタイミングと流れ

不動産鑑定のタイミングと流れ

最後に、不動産鑑定がいつ必要となるのか、どういった流れでおこなえば良いのかについて解説していきます。

不動産鑑定が必要となるタイミング

不動産鑑定は主に以下のようなタイミングで必要となります。

不動産売買
まずは不動産の売買取引をおこなう場合です。
不動産鑑定士によって適正価格を算出してもらうことによって、双方が納得したうえで取引を進めやすくなり、取引後のトラブルも未然に防ぐことができます。
また、不動産を購入する際に金融機関の不動産ローンを利用することがあります。
その場合は、対象不動産の適正価値を証明するために不動産鑑定書の提出を求められることが多くあるため、同様に不動産鑑定が必要となります。

相続による遺産分割や離婚による財産分与
相続が発生して相続人の間で遺産分割する場合や、離婚によって財産分与をおこなう際にも不動産鑑定が必要となります。
問題が発生して裁判へ発展するケースも多くあるため、不動産鑑定士に客観的な評価をおこなってもらうようにしましょう。

企業の会計処理
企業の会計において、以前は不動産の評価額は取得時の金額を基に処理されていました。
しかし今では、不動産鑑定によって算出した時価評価による処理が必要となります。
時間経過に伴う不動産価値の変化を加味することが求められているのです。

不動産鑑定の流れ

それでは、いざ不動産鑑定が必要となった際の流れを解説します。

1. 不動産鑑定事務所へ依頼
依頼をする不動産鑑定事務所と委託契約を締結します。
対象物件や不動産鑑定の目的、費用については事前に相談しておくことをおすすめします。
また、委託契約を締結する際にいくつかの書類が必要となります。

●登記簿謄本(全部事項証明書)
●住宅地図
●売買契約書
●重要事項説明書


これは必要書類のごく一部です。
依頼する鑑定事務所や対象物件によって異なるため、必ず確認しましょう。

2. 実地調査
委託契約を締結したら、不動産鑑定士が実地調査をおこないます。
資料上だけではわからない点も多いため、実際に現地で物件周辺及び室内の確認をすることは必須です。
あわせて、法務局や区役所を訪れて補足資料を収集します。
対象不動産にもよりますが、この調査で数週間はかかります。

3. 不動産鑑定評価書の交付
調査結果を基に鑑定評価書が作成されるため、その交付を受けて完了となります。
対象不動産に関する内容だけでなく、そのエリアの人口などのマーケット情報も記載されています。

まとめ

今回は不動産鑑定について、その概要と実施する際の流れについて解説しました。
単に想定売却価格を算出する不動産査定との違いも明確になったのではないでしょうか。
不動産査定は無料で気軽に依頼できる点はメリットですが、不動産価値を公的に証明する必要がある際は、ぜひ不動産鑑定を利用しましょう。

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